今回は、変形性膝関節症と診断された方が、ご自分で行うべきセルフトレーニングについてです。
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症とは、加齢による筋力低下や体重の増加に伴い関節への負担が増し、関節軟骨や半月板がすり減る、変形することにより、膝の痛みや炎症を引き起こすものです。
症状は徐々に進行していき、起床時の膝のこわばりに始まり、膝の痛みがなかなか取れなくなったり、膝関節に水が溜まったりし始めます。最終的には日常生活での痛みも強く、関節可動域に制限が見られるようになります。
変形した膝は元には戻らない
初期以降、徐々に関節の変形が現れますが、一旦変形した膝関節は元通りには戻りません。
その為、体重を減らしたり、十分な筋力を獲得して変形した膝関節自体の負担を軽減することで、変形や症状の進行を食い止める、遅らせる事が重要になります。
まずは膝関節の安定化
変形性膝関節症の方は、まず膝関節の安定化が必要になります。
それを実現する最初の、最適なトレーニングはパテラセッティングとなります。
パテラセッティング
- 膝下に丸めたバスタオルを入れます。
- バスタオルを膝で押しつぶすように、腿前の筋肉に力を入れます。
- 3秒ほど力を入れた状態をキープします。
- この動作を繰り返し行います。
パテラセッティングは、お皿の内側すぐ上にある内側広筋を鍛える良い運動です。
そして内側広筋は膝関節の安定化にはなくてはならない筋肉です。
腿前の筋肉の大きさを左右で比較して、痛みのある側の筋肉が小さい場合は、ぜひ行ってください。
患部外トレーニングも大事
膝関節の安定化以外にも、変形性膝関節症の方が鍛えるべき筋肉が、内転筋群と臀筋群です。
内転筋群と臀筋群は股関節が機能的に動くために欠かせない筋肉であり、膝関節の負担を減らすことも可能です。
内転筋群トレーニング
- 仰向けに両膝を立てて寝ます。
- 内腿に丸めたバスタオルを挟みます。
- 両膝でバスタオルを潰すように強く挟み、3秒間キープします。
- この動作を繰り返し行います。
臀筋群トレーニング
- 壁を背にして横向きに寝ます。
- 上側の足の踵を壁に押し当てます。
- 踵を壁に押し当てながら、足を広げていきます。コツはつま先が常に前を向くように動かすことです。
- この動作を繰り返し行います。
内転筋群、臀筋群がしっかり働くようになれば、股関節の安定化につながり、更には膝関節の負担を減らすことに繋がります。
変形性膝関節症でお困りの方は、上記3つのトレーニングから始めてみましょう!